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妊活期
26.06.09

【産婦人科医師監修】不妊治療で“できること・できないこと”って?― あなたと考える選択肢 ―

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Lyset Jensen

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2022年4月、不妊治療における保険適用が大きな話題となりました。
「治療のハードルが下がった」「もっと多くの人が選択できるようになった」
――たしかに、大きな前進です。
しかし、すべての治療が保険適用ではないこと、保険適用内で治療するにはルールがあることはご存じですか?

わたしたちLy:setは今回、尾山台のローズレディースクリニックで不妊治療に取り組む産婦人科医・石塚清子先生の監修のもと、「不妊治療でできること・できないこと」について、今あらためて丁寧に整理してみたいと思います。

大切なのは、『不妊治療を正しく知ること
担当医とよく相談をし、“自分に合った治療法”を見つけましょう。


保険診療で「できること」

これまで自費診療だった不妊治療は2022年4月より、大部分が保険適用となりました。保険適用には、年齢制限や、年齢に伴う回数制限などがありますが、保険診療内でできる事は大幅に増えました。

①保険診療でできる不妊治療

1. タイミング法

自然の卵胞発育や排卵誘発剤を併用した卵胞発育をエコーで診察し、排卵時期を予測してタイミングを指導する方法。

2. 人工授精(AIH)

卵胞発育をエコーで診察し、排卵時期に専用の器具で精子を子宮内に注入する方法。

3. 体外受精(IVF)

卵胞発育を促す薬剤を使用し、多数の卵子を採卵して、体外で受精させる方法。

4. 顕微授精(ICSI)

体外受精の内、卵子に針を刺しそこから精子を入れて受精させる方法。受精障害やIVFで胚獲得にいたらなかった場合などに考慮される。

5. 胚移植

採卵で得られた胚を子宮の中に戻す方法。治療開始時の女性の年齢によって、移植できる回数が変わる。

具体的な年齢制限と、年齢に伴う回数制限について見ていきましょう。
まず重要なことは、治療開始時の女性の年齢が43歳未満である必要があります。43歳を超えると保険での治療は行えません。
また不妊治療(体外受精)には、採卵と移植があります。採卵には回数制限はありませんが、移植に関しては年齢に応じて回数制限があります。治療開始時の女性の年齢が40歳未満の場合は6回まで、40歳以上43歳未満の場合は、3回まで移植を行うことができ、出産まで至ることができると、その回数カウントはまたリセットされます。

詳しくは厚生労働省もホームページもご覧くださいね。
      ↓↓↓
【厚生労働省】不妊治療に関する取組
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-01_00004.html

②女性が保険診療でできる検査

1. AMH(抗ミュラー管ホルモン)

卵巣の予備能を測る検査。

2. ホルモン値

女性ホルモン値を見る事で、あらゆる治療の手立てになる。

3. 子宮鏡検査

子宮内環境(ポリープや筋腫の有無、慢性子宮内膜炎の評価など)を確認し治療方針を考慮。

③男性不妊の検査や治療

1. 精液検査

精子の数、運動率、形態、液量などを調べます。不妊治療の最初の一歩となる最も基本的な検査です。

2. ホルモン検査(血液検査)

男性側の内分泌機能に問題がないかを確認します。

2. 精巣内精子採取(TESE)

精巣の組織を一部採取し、その中に精子がいるかを確認する方法です。


保険診療では「できないこと・難しいこと」

医療の進歩とともに、不妊治療の選択肢も多様化しています。ただし、すべての選択肢が保険で受けられるわけではありません。

1. 卵子凍結(将来のための備え)

現時点で妊娠を希望していなくても、卵子の質が高いうちに凍結しておきたい――そんな希望も多くなりましたが、「将来妊娠の備え」としての卵子凍結は自費診療になります。

2. 先進医療

先進医療として登録されている検査も、保険適用で実施する事はできません。
主なものにERA(子宮内膜受容能検査)、EMMA/ALICE(子宮内細菌叢検査)、タイムラプス、SEET法、PGT-A(着床前胚異数性検査)などがあります。これらの費用は全額自己負担ですが、43歳未満で、保険で体外受精をしている方には自治体の助成対象となる場合が多いです。

主な不妊治療の先進医療一覧
代表的な先進医療技術(先進医療A・B)は以下の通りです。

【検査】
ERA(子宮内膜受容能検査): 着床の窓(受容期)を特定する検査。
EMMA/ALICE(子宮内細菌叢検査): 子宮内の善玉菌・悪玉菌の割合、慢性内膜炎を調べる。
子宮内フローラ検査: 子宮内の細菌環境を分析。
PGT-A(着床前胚異数性検査): 胚の染色体数を調べ、流産率を減らす技術。

【培養】
タイムラプス(タイムラプス撮像法): インキュベーター内で受精卵を連続撮影し、良好な胚を選別。
IMSI(強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術): 1000倍〜1万倍の顕微鏡で精子の形態を選別。
PICSI(ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術): 成熟した精子をヒアルロン酸で選別。

【移植】
SEET法(子宮内膜刺激胚移植法): 受精卵の培養液を移植前に子宮に注入し、着床を促す。
二段階胚移植法: 初期胚と胚盤胞を同じ周期に時間差で移植。
子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過術): 子宮内膜を物理的に刺激し、着床しやすくする。

【注意点と情報収集】
費用: 1回数万円〜20万円以上と高額になる場合があります。
実施施設: 厚生労働省が認めた施設でのみ実施可能です。最新の実施機関一覧は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
助成金: 各自治体の「特定不妊治療費助成事業」で先進医療費用の一部が補助される制度があります。お住まいの地域の情報を確認してください。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html
(出典:厚生労働省の「先進医療の各技術の概要」について 令和8年4月1日現在)

保険と自費の併用は原則禁止されています。たとえば「体外受精は保険で、追加検査は自費で」というのは難しく、保険周期の体外受精中に自費でしかできない検査や処方、治療を行う事はできませんので、全体像を見て治療計画を立てることが重要です。


いちばん大切なことは「あなたに合った選択」をすること。

不妊治療は、すんなりと妊娠できることもありますが、人によっては難渋して、ゴールが見えず辛く感じる事も多い治療です。一番大切なことは、ご自身が納得できる治療を選択することです。その選択をするためにも、どんな治療があるのか、何ができ、何ができないのかをしっかりと理解されることが重要です。

おひとりおひとり、それぞれ置かれた環境も、卵巣の機能も、妊娠に対する考え方も誰ひとりとして同じ人はいません。その時のベストな選択をするためにも、分からないことを何でも相談・質問できる、そんな関係性の主治医を見つけ、一緒に乗り越えていただけたらと思います。

石塚先生はこう話してくれました。

大切なことは、「ご自身が納得できる治療を選択すること」

おひとりおひとり、体質も異なりますし、考え方や状況も違います。
どこまで治療を続けるのか、どのタイミングで他の方法を考えるのか――その時のベストな選択を担当医と相談しましょう。

勧められた治療に納得できない時には、ひとりで抱えこまずに、セカンドオピニオンのご受診を検討されるのもおススメです。治療の選択肢が増えた今だからこそ、“できること”だけでなく、“あなたが望む未来”からも考えていけますように。

石塚清子先生
ローズレディースクリニック医師
日本産婦人科学会認定産婦人科専門医

大学病院やクリニックで数多くの難治性不妊症の方々の診察に携わっております。患者様のご希望に添える様、お気持ちに寄り添いながら最善の医療を ご提供できるよう日々邁進しております。

監修: Lyset Jensen

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