(教えて、高尾美穂先生)女性のカラダの基礎知識:更年期セルフケア
“1日10分じぶん時間をとって輝いて欲しい”
そのような願いで情報を発信しているの!
Lyset Jensen
40代は、女性の人生の大転換期。そんな時の悩みの一つが更年期。乗り越え方に悩む方が多いのではないでしょうか。自分でもケアする方法はないの?
そんな疑問、更年期のセルフケアについて高尾美穂先生に教えてもらいました。
高尾先生、更年期不調を自分で治すセルフケアってありますか?
*食事セルフケア*
3食バランスよく食べること!
更年期は、エネルギー代謝や脂質代謝、骨の代謝が変化する時期です。過剰なエネルギー摂取や栄養素の不足によって心身のバランスをくずしやすくなります。
体調を整える注目の栄養素を積極的に摂取し、バランスを整えましょう。
<バランスポイント!>
糖質(エネルギー源)、たんぱく質(筋肉・臓器などの材料)、脂質(ホルモンバランスを整える)をよく摂る。
<栄養素別セルフケア>
■大豆イソフラボン
エストロゲンに似た作用が期待でき、更年期症状をやわらげる。
■カルシウム
骨密度の低下を予防するために不可欠な栄養素、イライラ・ストレス緩和作用となる。
■ビタミンC
コラーゲンの成分を助け、肌の弾力をサポート。アンチエイジングに。
■ビタミンA
皮膚や粘膜の作用となり爪や肌、全身の臓器を正常に維持し免疫力アップ。
■鉄
赤血球の産生に必要。
■ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を促し、骨を丈夫にする働きがある。
■オメガ3脂肪酸
血液をさらさらにし、中性脂肪をへらす効果。
■ビタミンK
止血作用があり、ビタミンDと一緒にとることで骨密度をあげ、骨粗鬆症を防ぐ。
■ビタミンB群
新陳代謝を高め、細胞再生を助け、肌つやを良くし、疲れを取ってくれる。
■ビタミンE
血流をよくし、冷えやむくみ、肩こりなどを解消する効果。
*高尾先生のおすすめの食事の女性ホルモンUP方法*
大注目の成分は「エクオール」。
大豆を摂取することで、腸内で代謝されて出来上がるエクオールは、化学構造式がエストロゲンとよく似ているため、女性の健康に期待が持てます。しかし、約半数の人は体内でエクオールを作れていません。一方で、エクオールを作れる人のほうが、更年期症状が軽いという報告があります。
毎日大豆を積極的にとっている人は、エクオールを作れる人の割合が高いという調査結果があります。
1日50~75㎎を目安に積極的に摂取しましょう。
*参考:大豆イソフラボン 豆腐1丁76㎎

*睡眠セルフケア*
睡眠不足は免疫力を低下させ、様々な病気を引き起こします。
集中力の低下など社会的な課題と、うつ、高血圧、糖尿病、発がんのリスクなど身体的な課題
<4つの睡眠トラブル>
更年期以降に増えるのは中途覚醒です。
■入眠障害型
寝ようとして横になってもなかなか寝付けない。
■中途覚醒(ちゅうとかくせい)型
睡眠中に何度も目が覚め、その後寝付けず苦痛に感じる。
■早朝覚醒型
望む時刻より2時間以上早く目が覚め、その後眠れなくなる状態。
■熟眠障害型
十分な睡眠時間をとれているはずなのに、疲れが取れない。
寝入りの3時間を充実させること!
更年期の不調の一つが「不眠」です。
特に多い悩みが、夜中に何度も目覚めて、その後寝つけない「中途覚醒(ちゅうとかくせい)」です。
目が覚めたあと、再度寝る際に寝つけないと睡眠に対する満足度が下がります。
睡眠によって整えられる「成長ホルモン」
成長ホルモンは、全身に働きかけて成長を促し、傷ついた組織を修復する作用で若さをキープするのにとても重要なものです。
睡眠は、脳波をもとに2つの時間帯に分けられます。
ノンレム睡眠:脳を休める時間。1~4段階に分けられ、このうち脳波の周波数の低い部分が中心のもっとも深い睡眠を<徐波睡眠(じょはすいみん)>といいます。
レム睡眠:体を休める時間。眠りが浅く、眼球が動き、夢をみるのもこの時間帯です。
睡眠時に分泌される成長ホルモンのうち約7割はノンレム睡眠の中でも、とくに眠りについて3時間以内にくる4段階の深い睡眠時間に分泌されます。
その最初の3時間にいかに深く眠れるかにかかってくるのです。

*高尾先生のおすすめの睡眠力UP方法*
①昼寝で“パワーナップ”充電
日中眠くなってしまったら、がまんするより昼寝をしたほうがパフォーマンスが上がります。寝すぎは、寝ぼけて逆効果。15時以降は避け、30分以内でとることがベストです。
②運動するなら夕食前
食後の運動は、胃腸に負担がかかるため、夕食前がベストです。
③夕食は寝る4時間前にとる
食べ物が消化されるまでに4時間かかります。おなかに食べ物が残っていると消化によくありません。
④お風呂は寝る1時間半前には入る
深部体温の低下が、皮膚温度との差を縮めることで眠りやすくなります。
入浴することで深部体温が上がります。下がるまで1~1時間半ほどかかるため
眠気が誘発されるタイミングを逃さないようにしましょう。
⑤光をコントロール
夕方以降は、オレンジ色のライトをメインに、就寝後はできるだけ光を目に入れない工夫を。
⑥ブルーライトを見るのを避ける
パソコンやスマホのブルーライトは、交感神経を刺激して眠りを妨げる原因となります。
眠りを改善すれば、更年期の不調もよくなります。
自分の睡眠を見直しセルフケアをしてみましょう。
高尾先生からのアドバイス
体調不良で困っても、困りっぱなしにしておかないで。
役立つ情報をきちんとリサーチし、対策があるなら前向きにトライして、メリットを賢く受け取っていただけたらと思います。
何を食べ、どう体を動かし、どう眠るか、実践していることのすべてが将来の自分を決めるのです。毎日がベストでなくても大丈夫です。できることからはじめてみましょう。

高尾美穂先生
イーク表参道副院長 産婦人科医
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長、スポーツドクター。婦人科の診療を通して女性の健康をサポートし、 女性のライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポートしている。
監修: Lyset Jensen