(教えて、高尾美穂先生)女性のカラダの基礎知識:妊娠メカニズム
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Lyset Jensen
妊娠のメカニズム。フェムテック・ケア情報サイト『Ly:set(リゼット)』に寄せられた、性教育の時期や内容についてのアンケートでは、妊娠について学んだ時期は、小・中学生4~6年生と回答された方が63%。学んだ記憶や内容を覚えているかの質問では、約9割の方があまり覚えていないという結果でした。
大人になり、仕事や結婚のライフステージを考えた時、妊娠についての知識をもっと詳しく学びたかったという回答を多くいただきました。
そんな皆様のお声から、妊娠のメカニズムについて高尾美穂先生に教えてもらいました。

高尾先生、妊娠のメカニズムについて教えてください。
女性は生理が訪れる
(生理:3~7日間)
基礎体温が低い時期、内膜がはがれて、体外に出てくるのが「生理」です。
(卵胞期:生理後~排卵)
生理が終わると、視床下部の指令を受け卵巣内の卵巣が成熟しスタートするのが「卵胞期」です。
その時に多く分泌されるのがエストロゲン。やがて迎える赤ちゃんのために子宮内に赤ちゃんのベッドとなる内膜をつくり始めます。
(排卵日)
排卵日(成熟した卵子が卵巣外に排出される日)に卵巣から卵子が勢いよく飛び出し、手のひらのような卵管采が卵子をつかみます。
卵子は、子宮卵管膨大部という場所で精子を待ちます。
その時にはプロゲステロンも分泌され、赤ちゃんが育ちやすいように内膜をフカフカにしてくれるのです。
そこで卵子と精子がマッチングされると受精卵になって、ベッドルームとなる内膜に移動。これを着床といいます。
妊娠に大切な女性ホルモン
*妊娠に備えるエストロゲン
エストロゲンは、子宮に作用して子宮の内膜を厚くし受精卵の着床を助け備えます。乳房を大きくして丸みを帯びた体つきにしたり、肌や髪を潤わせたり、女性らしさに関わるホルモンです。
*妊娠を持続させるプロゲステロン
プロゲステロンは、妊娠を助け、妊娠した後に妊娠を持続させるホルモンです。
排卵後にしか分泌されず、子宮内膜に受精卵を着床しやすく育ちやすい状態に整えてくれます。
この2つのホルモンがバランスを保ち、妊娠しやすい体となっていくのです。

リゼモニフレンドよりいただいた妊娠のご質問
卵子と精子が妊娠できるタイミングは?
卵子が、子宮卵管膨大部で待っていられる時間は24時間。
精子の寿命は2〜3日です。
妊娠かなとわかる兆候は?
・性交渉後に生理予定日が遅れる
・基礎体温の高温期が2週間以上続く
・食欲がない、胃がムカムカ
・体がだるい
といった兆候があった際に妊娠の可能性があります。
自分の卵子の数を調べる方法はありますか?
AMH(抗ミュラー管ホルモン)という検査があり、卵子のおおよその在庫や卵巣機能の予備能力を調べることができます。
検査ができるのは特定クリニックのみとなります。
卵子の数が多いからといって、妊娠できるとは限りません。
測定値の判断は総合的に行うことが大切です。
自分が妊娠できるカラダか知る方法・役立つことはありますか?
必ず妊娠できるという検査方法は、残念ながらありません。しかし、生活習慣を見直し、基礎体温を記録して女性ホルモンの変化を把握し、妊娠しやすい時期を知っておくことはとても大切です。生理周期や排卵のタイミングについて知りたい時には、基礎体温が役立ちます。
昔の女性は、妊娠・出産・授乳を繰り返していたため生理の回数が現在よりも少なく
逆に、妊娠・出産の経験がない人は、女性ホルモンが継続的に分泌されています。
つまり、生理を経験する回数が多く、子宮内膜症、乳がん、子宮体がんのリスクが高いことが知られています。
妊娠に備えて自分でできることのひとつは、生理不順や生理痛などの不調を放っておかないことです。女性ホルモンのバランスが乱れると排卵日の予測がつかなかったり、生理痛の原因となる病気によって妊娠できるチャンスが減ってしまったりする可能性があります。
妊娠には、タイムリミットがあるのでしょうか?
晩婚化が進んでいる現代、必然的に出産年齢が上昇しており約20%が35歳以上で第一子を出産しています。
*2019年調べ
35歳を過ぎると卵巣機能が低下し、妊娠・出産できる確率が減ってきます。妊娠・出産にベストな時期は20代~35歳と考えて、将来的に子どもが欲しいなら早めの人生設計がおすすめです。
妊娠・出産を望まない選択をした際に知っておいた方がいいことはありますか?
なりやすい病気・がんを知っておきましょう。
昔の女性は妊娠・出産・授乳を繰り返していました。その時には生理がストップし卵巣や子宮はお休みできていました。逆に、妊娠・出産の経験がない人は、女性ホルモンが継続的に分泌され、生理を経験する回数が多いほうがリスクの高くなる病気・がんもあります。
・子宮内膜症
・乳がん
・子宮がん
検診は定期的に実施し、「あれっ?」と思ったら、早めに専門医に相談しましょう。
高尾先生からのアドバイス
毎日の食事、睡眠、運動などの生活習慣が乱れると、体調を崩してしまいます。
また、よかれと思って取り組んだことが逆効果になることもあります。
何を食べ、どう体を動かし、どう眠るか、日々実践していることのすべてが将来の自分を決めるのです。妊娠を考えていない方も、希望なさっている方も、この機会に生活習慣を見直してみましょう。

高尾美穂先生
イーク表参道副院長
産婦人科医
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長、スポーツドクター。婦人科の診療を通して女性の健康をサポートし、 女性のライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポートしている。
監修: Lyset Jensen