おしえて! Lyset Jensen リゼットさん
妊活期
25.08.14

【産婦人科専門医監修】夏の妊活、ちょっと気をつけたいポイント。実は“夏バテ”だけじゃない、季節と妊娠の意外な関係とは?

Hej!リゼットです。
“1日10分じぶん時間をとって輝いて欲しい”
そのような願いで情報を発信しているの!

Lyset Jensen

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Hej!リゼットです。
「妊活」は、季節に関係なく続けていくテーマですが、実は夏ならではの注意点やチャンスがあるのをご存知でしょうか?
暑さだけでなく、日照時間やホルモン、ビタミンDなど、見えない影響が私たちの体にしっかり届いているようです。

今回は、藤沢IVFクリニックの佐藤 卓先生の監修のもと、専門的な知見をやさしく解説しながら、「夏の妊活」についてお届けします。


ヒトの妊娠は“年中無休”だけど、季節の影響ってあるの?

動物たちには「繁殖の季節」があるのをご存知ですか?
たとえばイヌやネコは、春から夏にかけて「発情期」があり、その時期に多くの妊娠が成立します。
でもヒトはというと、そうした特定の繁殖期がなく、一年中妊娠が可能です。

とはいえ、人間の妊娠は決して簡単ではありません
月経周期あたりの妊娠率はわずか20%程度
イヌやネコが1回の排卵で5匹も6匹も産めるのと比べると、ヒトの妊娠の繊細さがよくわかりますね。


日照時間と妊娠の意外な関係

夏は日照時間が長く、気分も活動的になりますよね。
実はこの「日照」が、妊娠に関係しているという研究があるんです。

たとえば、フィンランドでの研究によると、冬の妊娠率が夏に比べて低くなるという結果が出ています。
寒さのせいかと思いきや、実は気温ではなく日照時間の少なさが影響していたというのです¹。

これは、日照によって分泌されるメラトニンというホルモンが排卵に関与している可能性や、
紫外線によって体内で生成されるビタミンDが、卵巣や子宮内膜の働きに深く関わっていることが背景にあります。

ビタミンDはサプリメントで補うこともできますが、
日差しの下で15分〜30分ほど軽く日光浴することでも、体内で合成されます。
熱中症には気をつけつつ、朝や夕方など無理のない時間帯に少し外に出てみましょう。


季節によって、妊娠率が変わる?精子と子宮にも季節リズムが

イギリスの研究では、人工授精(AID)による妊娠の季節傾向を調査しています。
その結果、10月〜3月に妊娠率が高く、11月にピークを迎えるというデータが出ています²。

この研究では、性交のタイミングや精子の質はコントロールされていたため、
**卵子の質や子宮内膜の着床環境に、季節による影響があるのでは?**と考えられています。

さらに、精子にも“季節性”があると言われており、
2月〜3月頃に精子数・濃度・精液量が最大になるという報告も。
どうやら、「夏の妊活」は一筋縄ではいかないかもしれません。


IVF(体外受精)では、夏に“採卵”、秋に“移植”がベストかも?

体外受精(IVF)に関しても、季節による違いがあることが、オーストラリアの研究で明らかになっています³。

この研究では、

  • 夏に採卵した卵子は、秋に採卵したものよりも約30%出生率が高い
  • ・採卵日に日照時間が長い方が、短い場合よりも出生率が28%高い
  • ・一方、胚移植日に気温が高いと出生率は18%下がる

という結果が出ました。

つまり、夏は卵子の“質”が良くなる時期
一方で、移植(着床)に適しているのは気温が下がる秋〜冬
夏に採卵して、秋に移植する、というタイミングの取り方がひとつの理想なのかもしれません。


「夏の妊活」アドバイスまとめ

焦らず、じっくりが大切。
夏は排卵しやすいと言われていますが、妊娠率に結びつかないこともあります。
回数やタイミングを少し多めに取る工夫や、ビタミンDの補給を意識して過ごしましょう。

IVF予定の方は、“夏に採卵”を意識。
夏は卵子の質が上がりやすいタイミング。採卵だけ夏に行い、移植は秋にずらす選択もありです。

「学年」を意識した妊活も。
日本では、4月2日〜翌年4月1日生まれが同学年。
春生まれを希望される方は、7月〜9月の妊娠が狙いどきとなります。
夏にしっかり備えることは、計画的な妊活にもつながりますね。


妊娠や出産には、不確かなことも多くあります。
でも、こうした季節のちがいや体のリズムを知ることは、自分たちらしい妊活を考えるきっかけになるはず。

夏の妊活が少しでも前向きに、そして「わたしにとってちょうどいい」形になりますように。

God dag! リゼットです。
あなたに1日10分でも素敵な時間#mytimeを
とっていただけるように様々な情報を発信します!


参考文献

  1. 1.Timonen, S., Franzas, B. & Wichmann, K. Photosensibility of the Human Pituitary. Ann Chir Gynaecol Fenn 53, 165-172 (1964).
  2. 2.Paraskevaides, E. C., Pennington, G. W. & Naik, S. Seasonal distribution in conceptions achieved by artificial insemination by donor. BMJ 297, 1309-1310 (1988). https://doi.org/10.1136/bmj.297.6659.1309
  3. 3.Leathersich, S. J., Roche, C. S., Walls, M., Nathan, E. & Hart, R. J. Season at the time of oocyte collection and frozen embryo transfer outcomes. Hum Reprod 38, 1714-1722 (2023). https://doi.org/10.1093/humrep/dead137

佐藤 卓 先生
藤沢IVFクリニック 院長
産婦人科専門医 / 生殖医療専門医 / 臨床遺伝専門医

「生殖に関わる自己決定権を最大限に支援できる場所をつくりたい」という思いから、年齢や身体的条件、背景や価値観の違いにとらわれすぎず、一人ひとりに丁寧に寄り添う医療の実現を目指しています。
正確な情報をもとに、本人が納得して選べるよう、そっと背中を押せるようなクリニックでありたいと思っています。

監修: Lyset Jensen

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