おしえて! Lyset Jensen リゼットさん
婦人科
眠気
PMS期
イライラ
精神科
頭痛
めまい
ほてり
冷え
25.07.09

梅雨の不調と女性の心身。【心理カウンセラー】が解き明かす「なんとなくダルい」の正体と対策

Hej!リゼットです。
“1日10分じぶん時間をとって輝いて欲しい”
そのような願いで情報を発信しているの!

Lyset Jensen

Lyset Jensen

梅雨の季節。空は厚い雲に覆われ、じっとりとした空気が肌にまとわりつくこの時期、「なんだか気分が晴れない」「体が重くてだるい」「頭痛がひどい」「普段よりイライラしやすい」…そんな心身の不調に悩まされていませんか?

もしあなたが、特に月経前にこれらの症状が悪化すると感じているなら、それは決して「気のせい」や「気合が足りない」からではありません。その不調には、「女性ホルモンの波」と「気象の変化」という2つの大きな要因が複雑に絡み合った、明確な理由が存在するそうです。

今回はメディアでもご活躍されている吉野麻衣子さんに心理カウンセラーの視点から、なぜこの時期に女性の心と体は揺らぎやすくなるのか、その専門的なメカニズムを紐解き、具体的な対策までを詳しく解説していただきました。この記事を読み終える頃には、ご自身の不調の正体を理解し、少しでも快適にこの季節を乗り切るための「自分だけの処方箋」を見つけられるはずです。

なぜ不調が起こるのか?- あなたを揺さぶる2つの外的・内的要因

梅雨の時期に感じる不調は、主に2つの要因によって引き起こされます。一つは私たちの体内で周期的に起こる「女性ホルモンの変動」、もう一つは体の外で起こる「気象の変化」です。

要因1:女性の体を支配する「ホルモンの波」とPMS

女性の心身は、約28日周期で繰り返される月経サイクルの中で、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンの分泌量がジェットコースターのように劇的に変化します。このホルモンの波は、妊娠・出産のためだけではなく、脳内の神経伝達物質にも深く関わり、私たちの気分や体調を大きく左右します。

-卵胞期(月経後~排卵前):心身が安定する「キラキラ期」

    エストロゲンの分泌が増え、心身ともに最も安定しやすい時期です。エストロゲンは、精神の安定に関わるセロトニン(通称:幸せホルモン)の分泌を助けるため、気分も前向きになり、活動的に過ごせます。

-黄体期(排卵後~月経前):不調が現れる「ゆらぎ期」

    排卵後、プロゲステロンの分泌が優位になります。このプロゲステロンの影響で、心身に様々な不快な症状が現れるのがPMS(月経前症候群)です。

    -セロトニンの減少: プロゲステロンが増加する一方で、気分の安定に関わるセロトニン(ホルモン)が減少し始めます。これにより、憂鬱な気分、不安感、イライラ、涙もろさといった精神的な不調が出やすくなります。

    -GABAの働きが低下: 不安や興奮を鎮める働きのある神経伝達物質GABAの働きが、プロゲステロンの影響で鈍くなります。これが、緊張感や不安を増幅させる一因となります。

    -水分の溜め込み: 体内に水分を保持しようとする働きが強まり、むくみや頭痛、乳房の張りなどを引き起こします。

-月経期:ホルモンの急降下で不調がピークに

    エストロゲンとプロゲステロンの両方が急激に減少します。この「ホルモンの大嵐」が、脳内の神経伝達物質のバランスを大きく乱し、気分の落ち込みや腹痛、頭痛などの身体症状を引き起こすのです。

要因2:心身に直接影響する「気象病」の正体

梅雨の時期は、低気圧が頻繁に通過し、湿度も高くなります。この気象の変化が、自律神経のバランスを乱し、「気象病」と呼ばれる様々な不調を引き起こします。

-低気圧の影響:内側からの圧力で起こる不調

    人間の体は、外からの大気の圧力(気圧)と、体内から外に押し出す圧力が釣り合うことでバランスを保っています。低気圧が近づくと、外からの圧力が弱まるため、体は内側から膨張するような状態になります。

 -頭痛・めまい: この圧力の変化を、耳の奥にある内耳(ないじ)というセンサーが感知します。この情報が脳に伝わると、脳が混乱し、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが乱れます。交感神経が過剰に興奮すると、血管が収縮し、その後拡張する際に周囲の三叉神経を刺激してズキンズキンとした頭痛を引き起こします。

-むくみ・関節痛: 体内の水分バランスが乱れ、細胞間に余分な水分が溜まりやすくなることで、むくみが生じます。また、関節を包む関節包の内圧が相対的に高まり、古傷や関節の痛みを引き起こすこともあります。

-高湿度の影響:発汗機能の低下と自律神経の乱れ

    湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、体温調節がうまくできなくなります。これが「なんとなく体がだるい」「熱がこもる感じがする」といった倦怠感の原因です。また、高湿度の環境は、体をリラックスモードにする副交感神経を優位にさせやすく、日中の眠気ややる気の低下につながります。

-日照不足の影響:セロトニン不足に拍車

    梅雨の時期は日照時間が大幅に減少します。太陽の光を浴びることは、気分の安定に関わるセロトニンの生成に不可欠です。日照不足はセロトニン不足に直結し、気分の落ち込みや睡眠の質の低下を招きます。



最強の敵?「梅雨の気象」と「PMS」が重なる時

ここまで見てきたように、「女性ホルモンの波」と「気象の変化」は、それぞれ単独でも心身に大きな影響を与えます。しかし、梅雨の時期にPMSが重なると、この2つの要因が互いに影響し合い、症状をさらに悪化させる「負のスパイラル」に陥りやすくなります。

-自律神経への二重の負荷(ダブルパンチ)

    PMS期はホルモンバランスの乱れによって、すでに自律神経が不安定な状態にあります。そこへ低気圧や高湿度という気象の変化による負荷が加わることで、自律神経の調整機能はキャパシティオーバーに。その結果、頭痛、めまい、動悸、ほてり、冷え、異常な眠気、消化不良など、全身にわたる様々な不調が顕著に現れるのです。

-脳内神経伝達物質へのダブルの影響

    気分の安定に必要なセロトニンは、「エストロゲンの減少(PMS)」と「日照不足(梅雨)」の両方によって減少します。不安や緊張に関わるノルアドレナリンは、「ホルモンの変動」と「気圧の変化によるストレス」の両方で過剰に働きやすくなります。まさに、心への影響が相乗効果で増幅されてしまうのです。

-心理的な悪循環の発生

    カウンセリングの現場でも、この悪循環に苦しむ方は少なくありません。

    1.  身体の不調: 頭痛や倦怠感で、思うように動けない。

    2.  活動の制限: 仕事や家事がはかどらず、楽しみにしていた予定もキャンセル。

    3.  自己嫌悪・ストレス: 「なぜ自分だけできないんだろう」と自分を責め、焦りやストレスを感じる。

    4.  症状の悪化: ストレスがさらに自律神経を乱し、ホルモンバランスにも悪影響を与え、身体症状が悪化する。

このループにはまり込むと、抜け出すのは容易ではありません。大切なのは、このメカニズムを理解し、「自分のせいではない」と知ることです。

心理カウンセラーが教える、梅雨の不調を乗り切るための「セルフケア処方箋」

不調のメカニズムがわかったら、次はいよいよ具体的な対策です。ここでは「身体」「心」「環境」の3つの側面から、ご自身で取り組めるセルフケアをご紹介します。完璧を目指さず、できそうなものから一つでも試してみてください。

1. 身体を整えるアプローチ(フィジカルケア)

まず、揺らぎやすい心身の土台を安定させることが重要です。

-食事で内側からサポートする

    -セロトニンを増やす: セロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む、バナナ、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)、乳製品(チーズ、ヨーグルト)、ナッツ類を意識して摂りましょう。

    -ビタミンB6を摂る: トリプトファンからセロトニンを合成する際に不可欠な栄養素です。マグロ、カツオ、鶏肉、レバーなどに豊富です。

    -マグネシウムでリラックス: 神経の興奮を鎮め、筋肉の緊張を和らげる働きがあります。ほうれん草などの葉物野菜、アーモンド、ごま、海藻類に多く含まれます。

    -血糖値を安定させる: 血糖値の乱高下は気分の浮き沈みに繋がります。白米やパン、甘いものを控えめにし、玄米や全粒粉パン、食物繊維の多い野菜から食べる「ベジファースト」を心がけましょう。

-自律神経を整える生活習慣

    -朝の光を浴びる: 曇りの日でも、カーテンを開けて5分〜10分、窓際で外の光を感じましょう。体内時計がリセットされ、セロトニンの分泌が促されます。

    -軽い運動を習慣に: ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの有酸素運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整えます。気分転換にもなり、ストレス解消に効果的です。

    -38〜40℃のぬるめのお湯に浸かる: 就寝1〜2時間前に15分ほど湯船に浸かると、副交感神経が優位になり、心身がリラックスモードに。スムーズな入眠につながります。

2. 心を整えるアプローチ(メンタルケア)

体のケアと同時に、心のケアも不可欠です。

-「症状日記」で自分を客観視する

    いつ、どんな状況で、どんな症状が出たか、その時の気分などを簡単に記録してみましょう。「気圧が下がる前日に頭痛がする」「月経の3日前にイライラがピークになる」など、自分の不調のパターンが見えてきます。パターンがわかれば、予測して事前に対策が打てるようになり、コントロールできている感覚が安心感につながります。

-認知のクセを修正する

    不調な時は、「何もかもうまくいかない」「この辛さが永遠に続く」といった破局的思考に陥りがちです。「今日は調子が悪いから、最低限のことだけやろう」「この不調は数日でおさまる」など、少しだけ現実的で優しい言葉を自分にかけてあげる練習をしてみましょう。

-マインドフルネスで「今」に集中する

    過去の後悔や未来への不安から意識をそらし、「今、ここ」の感覚に集中する練習です。ゆっくりとした腹式呼吸に意識を向けたり、温かい飲み物の香りや味をじっくり感じたりするだけでも構いません。ざわつく心を鎮める効果があります。

-自分を許し、ハードルを下げる

    「できない自分」を責めないこと。この時期は、心身のエネルギーが低下している状態です。「今日は60%の力でいい」「完璧じゃなくていい」と、自分へのハードルを思い切り下げてあげましょう。休むことは、次の一歩のための大切な準備です。

3. 環境を整えるアプローチ(環境ケア)

自分を取り巻く環境を少し変えるだけで、不調が和らぐことがあります。

-湿度と温度をコントロールする

    除湿機やエアコンのドライ機能を活用し、室内の湿度を50%〜60%に保ちましょう。カビの発生を防ぎ、不快感を軽減できます。

-気圧の変化に備える

    天気予報アプリの中には、気圧の変化をグラフで示してくれるものがあります。気圧の低下が予測される日は、無理な予定を入れず、意識的にリラックスする時間を作りましょう。また、耳のマッサージ(耳を上下横に引っ張ったり、回したりする)は、内耳の血行を促進し、気象病の予防に効果的です。

-光の環境を工夫する

    日照不足を補うために、日中はできるだけ部屋を明るくしましょう。高照度の光を放つ照明器具を使うのも一つの方法です。逆に、夜はスマートフォンやPCのブルーライトを避け、暖色系の照明で過ごすと、睡眠の質が高まります。




自分を理解し、上手に付き合っていくために

梅雨の時期の女性の不調は、決して甘えや気のせいではありません。ホルモンのダイナミックな変動と、気圧や湿度といった抗いがたい自然の変化が、あなたの心と体に影響を与えているのです。

大切なのは、そのメカニズムを正しく理解し、「だから今、自分はしんどいんだな」と客観的に受け止めてあげること。そして、自分を責める代わりに、今日ご紹介したようなセルフケアを少しずつ試していくことです。

それでも、日常生活に支障が出るほど症状が辛い場合や、気分の落ち込みが2週間以上続く場合は、決して一人で抱え込まないでください。婦人科や心療内科、精神科といった医療機関といった専門家を頼ることも、あなた自身を大切にするための重要な選択肢です。


吉野麻衣子(よしのまいこ)さん
心理カウンセラー/株式会社SMART BRIDAL代表取締役社長 

心理カウンセラー、臨床心理療法士であり、戦略的に婚活をサポートする株式会社SMART BRIDALの代表取締役社長を務める。Domani、ゼクシィなど女性誌へ多数執筆。ミセスコンテスト世界大会優勝者としてタレント活動も行いながら、全国の独身男女の人生設計をトータルサポート中。

監修: Lyset Jensen

関連記事